岸本が簡単にクロだ殺しを自供して加倉井管理官は犯人と決めつけたのはあまりに高圧的でした。疑いをもつ江波に犯人のことばかり考える江波に辞めろと言ったのには怒りを感じました。しかし江波が岸本の夫の死に疑問を持ち社長に健太と加奈が岸本を母親のように慕っていたと知り、岸本が２０年前に手放した息子の健太をかばっていたと悟ったのは流石でした。そして黒田の殺害現場にあった携帯ボートで川を移動したトリックを見破ったのも見事でした。しかし岸本夫妻が20年前の事件から逃れる為に払った犠牲はあまりにも多く気の毒でした。まさか岸本の夫の死が偽装だったとは驚きでした。反社会勢力に睨まれた家族の不幸は図りしれないです。それでも江波が連行される前の健太に加奈に花嫁姿を見させて罪を償うと決意した場面は感動的でした。

ラストの結婚式にはちょっと感動してしまいました。事件も前科があることによって起こされた悲しい事件であり、駐在刑事らしいストーリーだったからよかったです。そして、寺島進の駐在員は相変わらずかっこよかったです。

｢いい加減人を疑うことを覚えたほうが良い｣｢そこまで犯人の事情ばかり考える必要はない｣と言い切った加倉井が江波に｢珠美さんが黒田を本当に殺したと思ってるんですか？｣と聞かれて何も答えられなかったときに警察の闇を感じました。管理官になれたほどの人なら江波を利用して事件解決の手柄を自分のものにするキャラになってもいいのに、江波のことを毛嫌いしている感じが異常に強いのでこじらせキャラのままなのが可哀想に見えました。

駐在刑事のシーズン2が始まりました。温かい人間関係を感じさせるところが好きです。冬のドラマなのですが、季節は夏や秋を思わせ奥多摩の自然美を楽しませてくれます。殺人トリックを駐在が崩すしていくのですが、解決のヒントが最初から鏤められているので気の抜けないドラマになっています。容疑者の供述が変わるのですが、誰を守ろうとしているのか考えていると最後には合点がいきました。

酒造会社の専務が変死し、会社の同僚が拘束されます。事件当日の供述は実証できず、地元住民の目撃証言は否定してしまいます。よくわからないドラマの展開に輪をかけたのが20年前の出来事に触れることです。拘束された人は20年前に夫を亡くし、その後に奥多摩を離れて戻ってきた人だったんです。この20年前の出来事と現在の出来事が結び付くことで、ほっと一息でき謎が解けました。

爽やか東大卒のキャリアエリートであるはずの軽部翔平なのに何故か奥多摩という奥まった場所にいるのが不思議でならないのに、当の本人は漢字を多く並べ立てた長い肩書きに誇りを持っているのが面白く、出世は程遠くなっているとは感じますが前向きな精神は見習いたいと思います。

元捜査一課の刑事だった穴水が飛ばされていた前の場所が八丈島と遥かに遠く、ミスをしたのは確実で陸続きの奥多摩の駐在となった江波よりも相当な事を仕出かしたはずで、それは一体何なのかと気になり知りたくなりました。

江波が自分が作った鮭おにぎりを燎子が作った、といって軽部を丸め込んでいたシーンが面白かったです。20年前に離ればなれになってしまっても親は子どもが心配なんだな、と思いました。来週の捜査を楽しみにしています。

相変わらず、江波の手のひらの上でコロコロと簡単に転がされる軽部が面白かったです。シャケフレークおにぎりの秘密には、また気づかなかったんですね。これからも、遼子を餌にどれだけ転がされてくれるかが楽しみです。軽部がかなり積極的にアプローチするようになった分、孝夫も積極的に張り合うようになった分、更に転がされやすくなったように思います。

やはり主役の方の個性が強すぎて印象が強い刑事な感じがしました。シーズン1での面白い展開をしっかり今作でも引き継いでいて、さらに新たな切り口で事件を追っていく姿も盛り込まれており前作より楽しませていただいております。