医師と看護師の断絶というか、病院における医師の立場がまったく反映されておらず、事実をもとにした…という触れ込みに疑問が止まりません。看護師不足を医師がカバーするというのは現実ならありえないので、納得できないまま終わってしまいました。

理事長で院長だった伯父を解任して、有原が理事長になり、病院経営に本格的に乗り出したっていうのは納得できます。銀行から事務長として出向をしてきた倉嶋が人件費の改革に乗り出して、スタッフからかなり厳しいことを言われるのが切なくなりました。

人事制度の見直しで、医師の能力級導入に苦戦をしていた有原は、2割の医師が理解を示したので、これはいけると確信する逆転の発想は凄いと思いました。普通はたった2割と思うところを、2割もと思う有原は、経営者としての器も、兼ね備えていると思いました。

修平が理事長の解任決議と自身の新理事長へ立候補という突然の出来事に、この先どうなるかと思いました。現理事長もプライドと強い意志を持って病院経営をされているように感じ、いつものごとく叔父と甥っ子の喧嘩が始まり収拾がつかなくなると思っていました。決議の結果、この提案は却下されると思っていましたが、現理事長自ら解任に賛成したのは驚きでした。修平をリーダーとして認めた瞬間であったと思います。

修平が新理事長になり、前理事長の叔父とボールのないキャッチボールをしているところを見て、「お前に託したぞ」という気持ちが見てとれました。前理事長も修平と同じレベルの意識を持って病院を支えていたんだなとふと感じました。

お互いの和解から叔父の健次郎の理事長継続となるかと思えた人事は、修平から出された理事長解任の動議によって戦いに匂いに満たされます。しかし、そこで理解を示したのは他でもない健次郎自身。危険な動議は理事達を真っ二つにしたまま承認され、病院の再建は修平の手に託されることに。病院側は自分の立場を守ろうとするグループと再建を信じるグループに分かれ、看護師達の多くが退職を選択し、人手不足の状態に。それでも頑張る再建派は、集団食中毒への対応を機にまとまり始め少しずつ機能し始めるのですが、長い間、馴染みの医師や看護師と繋がっていた患者側からの信頼も心配の種として残ったままです。病院を舞台にしながらも治療をテーマにした医療ドラマとは一線を画すドラマを、小泉健次郎と高嶋政伸のコンビがどう乗り越えて行くのか。またこのドラマが、小平奈緒の努めていた病院での実話をモデルに作られていることから、今後の流れに注目です。

他界した父に代わり地域医療を守ろうとする修平の前に立ちはだかる医師と看護師のプライドと戦うため、修平は理事会で理事長の交代の動議を出します。以外にも旧理事の叔父、健次郎の賛成を得て病院の再建派修平の手に任されることになりました。患者の命を護るというプライド対、病院を残すというプライドの対立は、徐々に再建派側に傾き始めますが、この先にも様々な壁が出現する予感が。修平を助ける銀行から出向の事務長には高嶋政伸が好演、更にその後ろ盾には中村雅俊演じる頭取の存在が。地域医療は残せるのか、病院が生き残るための変化は、どういった新たな傷を作るのか。実話を元にしたドラマなだけに興味は尽きません。