3日間のサイバー犯罪講習を受講する北条と三浦は、休憩時間にSNSで家出少女への殺害予告を見つけます。講習より命が大事と調査を始めた北条と三浦は当時の事情を伺うために家に行くと娘の父は会社を休んで対応してくれます。娘に帰ってきてほしい気持ちが伝わってきます。父が持っていた彼氏とのプリクラの写真をもとに所属するグループを割り出しますが、行先で男性の死体が発見されます。生きて娘は見つかるのですが、殺人事件の解明は悲しい結末となっています。

SNSの殺人予告を調査すると2年前に家出した少女であることがわかります。調査を進めて当時の彼氏が住んでいたマンションに向かうと、部屋には男性の死体がありますが、住人ではありません。殺人事件の捜査を通して娘と両親の気持ちが描かれ、父の娘への想いが悲しい結末につながってしまう、ちょっと考えさせられるドラマでした。

善意のお父さん（相島一之）が、家出した娘の居所を警察に探してもらうために、SNSに娘・香澄（北香那）の殺害予告を乗せた。それがきっかけで娘は見つかったのだが、実は、殺害予告を見た娘は、彼女を縛る男たちを殺し合わせ、残った男も殺害したのだったという運命の皮肉を描いていた。着想としては非常に良い。ただ、なんかすっきりしない。第一に、殺害予告と娘の行動との因果関係の描き方が雑だった。娘は男たちに拘束されるのが嫌だったと自供しており、主人公たちが強引に、娘の犯行を殺害予告と関連づけようとしている感じがした。また、父親による殺害予告がバレたのが、父親が漢文や古文の教師で、殺害予告に「其れ」などの表記があった点だけなのも強引な感じがする。もう少し練れていれば名作になっただろうがらなんか不完全燃焼。北香那は熱演だったし、全般に演技は悪くない作品なのだが。

失踪した香澄は、２年前とは違い悪い情報しかなかった。ネットの殺害予告の写真とは全く違うグレた香澄、殺害予告をしたのはラストに父親と知り、こんなことなら父親は娘を探すべきではなかったと、虚しさばかり残ってしま結果だった。

殺害予告を書き込んだ人物のことは、終盤まで全く分からず、まさか香澄の父だったとは。娘を見つけたい一心の行動が、最悪な結果を誘発することになってしまったのはなんともやり切れませんね。百合子が大胆ながらいつもの茶目っ気を出す、銃を構えた場面が緊迫しつつ可笑しい。亜矢を信頼しているからこその行動ですね。亜矢も、口調は強いが事件が解決してももやもやが残ることを予感し、百合子を気遣うところが良い。噛み合わないようでいて、息ぴったりなふたりの活躍に見入りました。

『特命刑事カクホの女２』の第３話では、SNS上で顔写真があった少女の殺害を防ぐということで、百合子と亜矢は、捜査をすることにした。二人は、馬が合っているのか会っていないのか、はっきりしないなあと思いました。マンションの殺害現場は、とてもぞっとしました。