一路はさっちゃんのことをずっと見守ってきたように思いました。傍から見れば、ストーカーのようですが、兄として妹の様子を知りたかったのだと思いました。船乗りのままにしておいた方が、彼女の取っては幸せなことなのだと思います。

今回はムラタさんの私生活が少し見えてきました。一路はなぜムラタさんをレンタルおやじとして指名したのか気になりました。一路なりにムラタさんに何かを相談したかったのでしょう。それはもしかしたら父親とさっちゃんのことかもしれません。

コタキ兄弟の父親は根っからの女好きなのだと思いました。頭がボケても、それだけは死ぬまで続くのでしょう。5年前に一路が父親に会った時は、まだ記憶があったようです。ですが、最後まで喧嘩したままで終わってしまいました。何とも言えない親子関係です。

二路さんがお母さんの息を引き取る時にどうして側にいなかったことを話した時、本当に苦しそうでした。一路さんはお母さんは二路さんばかりを可愛がると思って苦しんでいたけど理由があったんだとわかって、少し兄弟の誤解も解けたんじゃないかと思いました。

こんな思いをするのは俺だけでいいと思っていた一路さんが、二路さんをお父さんと会わせたのはどうしてだろうと考えてしまいました。二路さんにも知る権利があると思ったのか、もしかすると一路さん1人では抱えきれなかったのかもしれないと思いました。

有花さんがもし寝たきりになってボケて二路さんのことを忘れてしまっても最期まで一緒にいるよと言った二路さんはやっぱりお母さんの死に目に会えなかったことを悔やんでいるんだろうなと思いました。お母さんのために身を引いた優しい二路さんには幸せになって欲しいです。

父との再会って今更と思いながらも小林薫が演じているのにはびっくりしました。そして、芳根京子演じるさっちゃんがあの兄弟の妹と知ってからは何となくこれまでの関係性などが笑えてきて今回も行わず笑ってしまいました。

これまでとは全く別の一面を見せてくれた第10話。父親が姿を現し、それによって長年の家族の問題、兄弟がお互いに抱えてきた心の葛藤が浮き彫りにされました。常識を逸脱した行動の父の影響で長男として常識ある人間として生きてきた一路。5年も前か定期的に父に会いに行っていたという、重荷を誰にも言わず一人で抱え込むことができる人としての強さや懐の深さを感じました。母の死に目に逃げたとされていた二路も、父に似ているが故に母に溺愛されそして憎まれ負った心の傷を、認知症となった父を目の前に他人事として涙ながらに話すシーンには思わず魅入りました。1人で全てを背負ってきた一路、やっと本当の気持ちを言えた二路、お互い本音を言い合いそして聞くことができたのは良かった。兄貴愛してるぜ！と言った二路に満更でもない一路の苦笑いが心に沁みました。古舘さん、滝藤さん、そして小林薫さんの3人のシーンは本当に凄かったです！

全てを知っていて行動していた一路がさっちゃんとの関係性を、弟の二路に教えた事で調子の良い生き方をしてきた行動が萎縮して動揺しまくる姿にはビックリしましたが、よく考えると二路は上手く生きられない事から衝撃を与えてしまうと危ないかもと想像できたはずで、やっぱり教えるべきではなかったなと思ってしまいました。

クズの父親である零士の息子である一路の元にやって来た、零士の浮気相手の瑞樹が居所を教えてくれた事は感謝はすべきだとは思いましたが零士の粗相を一路が謝るのはおかしく、逆に一路たちの家庭を崩壊させた瑞樹が謝るべきだろと苛立ってしまいました。